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sakaさん(vol.4)

本日は,設定の一部を,こっそりと…
‘エドゥーマ’はアマダムと対をなす霊石で,腕輪様の装飾品に封じ込められていた.
アマダムが物理的力に作用するのに対し,エドゥーマは精神的力に作用する(エドゥーマに触れると,聖なる者はより聖なる心を,邪悪なる者は,より邪悪なる心を手に入れてしまう).
エドゥーマに対比させたとき,アマダムは使う者の精神=意思の力に左右されやすいという弱点をもつ.
逆にエドゥーマは,物理的力には作用する度合いが弱い.
従って,アマダムとエドゥーマを同時に手に入れた者は,ダクバやアルティメットフォームをも超える究極の破壊者にもなれれば,神にもなれる.
ズィ・アルギ・ドゥズ(アルキデスオオクワガタ種怪人)は,エドゥーマを手に入れ,人間社会に恨みをもって死んだ‘リント’を選んで蘇生させ,ヴォ集団を作り出した.

ヴォは,対クウガ戦闘集団で,ゲゲルを行わず,クウガを倒すことのみが目的.
ただ,クウガをおびき出し,また,精神的ダメージを与えるため,作戦の一部としてリントの殺戮を行う.

一方,雄介は,ある決意のもとに,紛争地帯で負った傷を治癒させず,傷として残すことにした.
それはクウガに変身した後も常に傷として残り,グロンギと戦う際の弱点となる.
のだが…

ということで,また改めまして.
saka

宇都宮市内 9:52 pm
   安形のアパート。
   布団に入っている浩太。
   京子、浩太に物語を聞かせている。
京子「─疲れ果てた旅人は、泉のほとりでひと休みすることにしました。『どれ、水でも飲もうか』。そう言って旅人が水を飲もうとした時です。『やや!』泉に写った旅人の顔は、鬼のように真っ赤で、角まで生えています。」
   浩太、もっと起きていたいが、目を開けていられない。
京子「『ああ!どうしよう!お爺さんとの約束を破ったから、鬼になってしまったんだ!』旅人は叫びました。そこへ、あのお爺さんがやって来ました。旅人は言いました。『お爺さんごめんなさい。どうか私を助けてください』。『それは私にもできません。さあ、どこか遠くの森で、静かにお暮らし』お爺さんはそう言って旅人の前から姿を消しました。…」
   静かに寝息を立てている浩太。
   うっすら埃のかぶった鏡台。
   京子、鏡台の覆いをはずし、鏡に映る自分の顔を見つめる。
   静かにドアの開く音。
   京子、あわてて鏡台の覆いを戻す。
   安形が帰宅。
安形「いつもすいません」
京子「いえ…こちらこそ、すいません、上がり込んじゃって」
   安形、浩太の寝顔をちらりとのぞく。
京子「おかず、レンジに入ってますから。じゃあ、今日はこれで…」
安形「まあ、そう言わず。(買い物袋から缶ビールを取り出す)一杯付き合ってください」
京子「…」
安形「…愚痴、聞いてやってください」
京子「…(コップを出しながら)病院勤めって大変。私だったら勤まんないわ」
安形「いやァ、やってみると案外、そうでもないんですよ」
   文机に、浩太の描いたクレヨン画。
   黒い太陽に、赤い大地。黒く塗りつぶされた人物。
安形「(コップにビールを注ぎながら)あいつ、見ちゃったんですよ。母親が…燃えるとこ…」
     ×       ×
   フラッシュバック─。
   雨の中、街が、燃えている。
   火だるまになり、身もだえる人々。
   炎の向こうに見え隠れするダグバ。
   へたり込み、動けない浩太。
   その浩太の瞳に映る炎。
     ×       ×
京子「…」
安形「(グラスをあおり)私は、真っ黒になって、もう誰だか分かんなくなったようなのしか見てないんですけど…」
京子「…」
安形「運ばれてくるけが人の…他人様の処置に明け暮れて、カミさん、守ってやれなかった」
京子「…」
安形「…あぁ、ごめんなさい、こんな話」
京子「いえ…」
安形「お宅さんの身内も…?」
京子「いえ、私は元々独りでしたから。でも、身の周りには、いました」
安形「そう…すいません、失礼なこと」
京子「いえ…」
安形「あの街にいると、どうしても思い出すだろってね…いい病院もあったんで、こっち来たんだけど…良かったのかどうか…(慌てて)あ、いや、お宅さんみたいな人とご近所になれて、良かったと思ってるんだけど。フフ…」
   京子、ほほえむ。

警視庁 8:42 am 
   大研修室。
   入り口に、「未確認生命体関連事件殉職者追悼式」の立看。
   私服・制服の多数の警官。遺族とおぼしき民間人の姿もあって―
   制服姿の一条。献花し、記帳、一礼して去る。

   研修室前の廊下。
   人ごみを掻き分けて来る、やはり制服の杉田。
杉田「一条!」
   一条、振り返る。

     ×       ×

   自販機コーナーの前に、一条と杉田。
   コーヒーをすする一条。
   煙草をくゆらせる杉田。
杉田「そうか…桜井に会って来たのか…」
一条「…」
杉田「…召喚状、来たか?」
一条「いえ。…一体、何の…?」
杉田「いや、来てなかったら、いいんだ」
一条「杉田さん…」

     ×       ×

   総合受付に、一条。
杉田の声「桜井の所には…ああなっちまう直前に、召喚状が来たんだ…」
受付の婦警「広域捜査課…第三資料室、ですか?ええと…」

     ×       ×

   第三資料室。
   一条、入ってくる。
   うずたかく積まれた資料。整理が乱雑。
   あたりをキョロキョロしながら、奥へ進む一条。
   男の声「ああ…いらっしゃい」
   一条、ギョッとして振り返る。
   見ると、初老の警官が、一条の方を見ている。第三資料室長・安城警部(54)である。
安城「困ったなぁ〜」
一条「は?」
安城「敏腕刑事がそう無警戒じゃぁねェ…」
一条「失礼しました。警部補・一条薫であります。本日付で―」
安城「うん。君の配置はここじゃない。その奥だ(奥の扉を指さす)」
一条「はぁ…(奥へ進む)」

     ×       ×

   資料室の奥、扉を押し開け、入室する一条。暗い室内。
声「掛けたまえ」
   一条、いぶかしげに、うっすらと目に入る椅子に腰掛ける。
声「一条薫警部補。昭和49年4月18日生まれ。愛知県立名城高校を経て、平成5年、東都大学法学部入学も、中退。平成7年4月、警視庁入庁。第一交通機動隊へ配置。平成9年、長野県警・警備一課へ異動。平成12年1月、期間人事により警視庁・未確認生命体合同捜査本部へ異動。平成13年4月、長野県警・警備一課へ異動。賞罰、警視総監賞3回、関東管区警察局長賞2回、戒告処分1回。訓告処分が―」
一条「…これは…何でしょう?査問でしょうか?」
声「いや。貴職適正の最終確認だ」
一条「…」
声「貴職は本日付で、警察庁・公安局長の指揮下に入る。文書による辞令は発行しない。」
一条「…公安局?」
声「今後一切、外部との接触を禁ずる。親族・友人・知人、一切だ。警察関係者の如何も問わない。従って、警視庁、長野県警、科学警察研究所、関東医大、城南大学、等、別命のない限り、立ち入りを禁ずる。貴職は24時間、常に当局の監視下に置かれる。貴職において、これらが受け入れられない場合―」
一条「…」
声「残念ながら、警視庁・松倉貞雄警視監以下、旧未確認生命体合同捜査本部捜査員及び関連職員すべてを査問にかけ、しかるべき調査の上、刑事処分に付さざるを得ない」
一条「刑事処分…?」
声「貴職らは、国家の治安に関し、その根幹を揺るがしかねない重要案件について、虚偽の報告をしているものとの疑念がぬぐえ切れない」
一条「…つまり、この人事はお断りすることはできない。と、解釈してよろしいので?」
声「お見込みのとおりだ」
一条「…」
   扉が開き、スーツ姿の警官が入室。警官、一枚の写真を差し出す。
   一条、目の色が変わる。
声「この人物の身柄確保が、当面の貴職の任務だ」
一条「…『確保』…ですか?」
声「そう。確保だ」
一条「…」
   一条、写真に目を落とす。

ポレポレ 11:14 am 
   仕込み中の玉三郎。手を止め、テレビに見入る。
   『おにぎりの味3』番組宣伝。『出演・朝日奈菜、他』のテロップ。
玉三郎「知ってる?今人気絶頂の奈菜ちゃん」
   カウンター下から顔を出す瑛子。
瑛子「先代のポレポレ看板娘。姪っ娘の奈々さんでしょ? おやっさんは、芸名を『アサヒ・ナナナ』にしたかったけどダメだった。もう朝から8回目。この話」
玉三郎「そうダッタン人の踊りィ?」
瑛子「…」
玉三郎「瑛子ちゃん、無視することないでしょ…」
   瑛子、テレビを見つめている。
   玉三郎もテレビに目をやる。
   ニュース速報の字幕。『町田市内に未確認生命体』。
玉三郎「…」

東京都・町田市内 同時刻
   サイレン音。まわる赤色灯。
   逃げ惑う市民。
   ジュラルミンの盾を手にした機動隊が配置につく。
   サル種とおぼしき怪人が、老婦人の首に手をかけ、盾にしている。
   銃口を怪人に向ける警察官。
警官A「狙撃班の配置は?」
警官B「『完了にあと数分を要する』と」
   警官A舌打ちする。


―続く




sakaさん(vol.5)

アラスカ・マッキンリー山麓 現地時間 7:56 am
   閑散としていて,人の気配がない.
   歩く桜子.息が白い.
   傍らを歩く,ガイド,マイク(スノーモービルの運転手).
桜子「ここにはどれくらい,人が住んでないの?
マイク「3ヶ月前まで,ここは‘ユピック’の村だった
桜子「‘ユピック’?
マイク「君らが昔,‘エスキモー’と呼んでた民族の一部さ
桜子「一部?
マイク「今はイヌイットと呼んでるけど,本当はいろんな民族がいる
桜子「で,その人たちは?
マイク「…死んだ…
   歩みを止める桜子.
桜子「全員…?
マイク「…47人…
桜子「災害?
マイク「いや…結局のところ,インフルエンザか何からしい.なんせ,老人ばかりの村だったから…ほんの3ヶ月前までは,この村は…生きていた
桜子「(再び歩き始め)47人…
   二人の眼前に大きな窪地が現れる.
マイク「これが,村人達が護りつづけてきた,ユンマ遺跡
桜子「ユンマ…
   窪地の一番深い部分.九郎ヶ岳と見紛うばかりの建築物.
桜子「この村の人の遺体は,どこに?
マイク「…何? 発掘に来たんじゃないの?
桜子「インフルエンザなんかじゃないわ…絶対…

チベット高原・国境警備隊 現地時間 1:14 pm
   雄介の拘置房の扉が開けられる。
   警備兵A,雄介を手招きする。
警備兵A「お別れだ。北京へ行ってもらう

     ×       ×

   トラックの荷台に,雄介ただ一人。手首には手錠。
   揺れも激しく,土ぼこりもひどい。

町田市内 11:37 am
   まわる赤色灯。
   ジュラルミンの盾を手にした機動隊員。
   サル種怪人が、老婦人を人質に、路上駐車の乗用車へ、ジリジリと近づく。
   機動隊小隊長の元へ、機動隊員が駆け寄る。
機動隊員「狙撃班、配置完了しました」
小隊長「狙撃班には『発砲を許可する』と」
機動隊員「了解です」
   小隊長、周囲のビルの屋上を見上げる。

   ビルの屋上、複数の狙撃員が小銃を構え、待機している。
   スコープ内の照星中央に映るサル種怪人。
   狙撃員の耳に無線連絡。
無線連絡の声「発砲を許可する。なお、狙撃部位は、腰部を避け、人命第一に配慮されたし」

関西国際空港
   ごった返すロビー。
   国内外の観光客、スーツに身を包む男女。
   中には,いかにも犯罪のにおいを感じさせる人物も点在する。
   その中に、一条。オールバックにサングラス、レザースーツという姿である。

大阪・梅田
   いつもと変わらぬ雑踏。
   その中に立つ、ヴォ・ズゴゴ・ギ、人間体。
   当然、気に止める者は誰もいない。

町田市内
   大腿部から鮮血を流し、膝をつくサル種怪人。
   よたよたと逃げる老婦人。
   狙撃班、これを機に次々と銃弾を打ち込む。
   背中や胸に鈍い弾着音が数回。
   だが、最後の一発が、後頭部を貫くと、怪人は倒れ、動きが止まる。
   盾を持った機動隊員、そろりそろりと、動かなくなった怪人に迫る。
   機動隊員の一人が、うつ伏せの怪人を仰向けにする。
   怪人の胸元から、こぼれおちる一万円紙幣。
   機動隊員が、怪人の顎をつかんで引き上げる。
   と、怪人の顔は仮面のように剥がれ、その下には血まみれの青年の顔。
機動隊員A「…模倣犯…か…」


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