高寺Pのインタビュー記事を読んでから,この妄想ストーリーは根本的に修正しないといけないのか?
とも思うのですが,やり始めたことはケリをつけましょう.
お詫び… 前回の “〜「その2」(以降の)展開〜” はウソ予告でした(!?).
※セリフ,〔 〕付は,グロンギ語です.
1年後―
どこまでも広がる青空.
しかし、その下は難民キャンプ.
アフガン・パキスタン国境地帯・難民キャンプ 現地時間 1:58 pm
子ども達には笑顔も見られる。
そこへ,男達の一行がやってくる.手には地雷探知機やらの機器.
地雷撤去作業を続ける男たち.
果てしない作業だ.
その姿にカメラを向ける日本人・門司一(もじ・はじめ).
現地の男「あんた,日本人か…」
門司「ああ」
現地の男「日本に帰ることあるのか?」
門司「ああ,たまにな」
現地の男「だったら,ユウスケに会ったら言ってくれ,いつでも帰って来いってな!」
門司「ユウスケ…雄介?…五代かァ?」
関東医大病院 9:45 am
薄暗い廊下の突き当たりにある受付の小窓.
一条,受付の前で何やら書き込んでいる.用紙には,『面会票』の文字.
手には,買い物袋.
看護婦A「身内の方じゃないですね?」
一条「ええ.職場の同僚です(と,警察手帳を出そうとする)」
看護婦B「面会,許可です.一条さん,ですね?」
うなづく一条.
看護婦A「差し入れですか?」
一条「はい」
看護婦A「一応,中を改めさせてください」
一条,戸惑いながら,袋を差し出す.
院内の中庭.ベンチにスウェット姿の桜井.隣に腰掛ける一条.
桜井,すっかり生気がない.一条が持ってきた包みの中身は,ロールパン.
桜井「(微笑むが,ぎこちない)一条さん…夜,眠れてますか?」
一条「…」
桜井「ここんとこ,やっと眠れるようになりました.薬のおかげなんですけどね…俺たち何やってきたんだろって,考えるとね…」
一条「…」
桜井「もっと早く手が打ててれば,もっとたくさんの命を救えたのに…みすみす…」
一条「桜井さん…」
桜井「いや,それは,確かに精一杯やりましたよ.亡くなった人には申し訳ないけど,精一杯だった.…でも,0号が死んでみたらどうですか.未確認を装った犯罪は多発する,マスコミは相変わらず警察を無能呼ばわり.犯罪はますます凶悪化する一方なのに,威嚇射撃でもすれば,人間と未確認を一緒にすんな,なんて評論家までいやがる…」
関東医大の上,鉛色の空.
桜井の声「…一条さん…俺たち,…一体,何を守ろうとしてたんでしょう?」
椿の研究室を訪れる一条
椿「そうか,ま,本庁復帰だ.めでたいじゃないか」
一条「…」
椿「そんな顔すんな.広域捜査課って言や,要は日本のFBIじゃねェか」
一条「第一線の捜査から外されたんだ(溜め息)」
椿「ぼちぼち嫁さんでももらえってことさ…それより,今日どうする?」
一条「警察関係者は顔を出さん方がいいだろう.またバッシングされるだけだ」
椿「夜の,市ヶ谷の方は?」
一条「あまり気乗りはせんがな.南先輩の誘いじゃ断れんだろ」
椿「ああ,そうだな…」
千代田区 九段会館 11:15 am
「未確認生命体犠牲者合同慰霊式」がしめやか行われている.
栃木県 宇都宮市内
築20年ほどのアパート.
「慰霊式」中継に見入る安形浩(あがた・ひろし;35),浩太(こうた;5)親子.
ノック音がして,古塚京子が入って来る.
京子「浩(こう)ちゃん,おいも蒸かしたよ…(テレビに目をやる)」
京子,立ち尽くし,テレビに見入る.
仏壇には,浩太の母の遺影―.
城南大学 考古学研究室
テレビで合同慰霊式を見ている桜子.
そこへ,院生・柿本瑛子。
瑛子「先生!沢渡先生!これ!(紙を手渡す)」
桜子「(紙に目を落とし)『大いなる闇,地に訪れし時,邪悪なる者,これに触るれば,―』…これ,どこで!?」
瑛子「ネット上です」
桜子「いたずら?」
瑛子「いえ,アラスカで,実際に撮られた写真だそうです」
瑛子の持ってきた紙には,いくつものリント文字が並んでいる.
科警研 3:16 pm
廊下を歩く榎田とジャン.
ひかり「ごめんね,せっかく来てくれたのに.貸し出したまま帰ってこないのよ」
ジャン「…でもなんで,ボ,ボウエ…」
ひかり「防衛研究所」
ジャン「…が?」
ひかり「さあ…私の休暇中だったしね.あれを応用する気なのかな…」
ジャン「ゴウラムの原理を,戦争の道具に?」
ひかり「そんなの,嫌だよね…」
市ヶ谷プリンストンホテル 8:47 pm
円卓に,スーツの男たちがズラリ.
30代〜40代前半程度の年齢層.
一条と椿の姿もある.
南と秘書に伴われて入室する,桐嶋代議士.
南「(歩きながら)遅くなりました.桐嶋先生が到着されたので早速はじめたいと思います」
椿「(一条に)誰だ?議員が来るなんて聞いてないぞ」
一条「(小声で)若手議員のリーダー格で,防衛庁にも顔が利くらしい.あの時治安出動実現に一役買ったって話だ」
南,一条・椿の方へ歩いてくる.
南「よく来てくれた(と声をかけ,自分の席に着く)」
一条・椿,ばつが悪い.
南「本日お集まり頂きましたのは,ご案内のとおり,わが国の治安維持に関する勉強会を行うためです.…と言うことですが,ありていに言えば,未確認生命体事件は何だったのか,未確認の脅威が去ったと言って,本当にいいのか,そういうことを忌憚なく話し合う場にしたいと考えております.こういった議論は内閣安全保障室でも行われてはいますが,あれは,実務を知らん方々の集まりです.今日は,現場の第一線で未確認と関わった方々,もしまた未確認が現れれば,関わるであろう方々をお招きしております」
椿「おいおい,何が勉強会だよ,対策会議じゃねェか」
一条「…」
チベット高原 現地時間 7:48 pm
氷点下の中,哨歩する国境警備兵.
反対側から,Tシャツ一枚の雄介が歩いてくる.息が白い.
兵士A「(銃を構え)何だおまえ?何してる?」
雄介「(笑顔で)いや,寒いっすね」
兵士B「拘束しろ!」
雄介「いや,ちょ,ちょっと待って」
市ヶ谷プリンストンホテル
南「…実は,約6ヶ月前,アフガン上空を哨戒中の米軍機が,国籍不明の不審な航空機,ないしミサイル様の物体を撃墜した,と言う事案があります.問題は,この物体の進路であります.この物体はアフガン・パキスタン国境付近より飛び立ち,撃墜されていなければ,まっすぐこの日本にやってきたであろう,ということなのであります.また,関連は,明らかではありませんが,同じく半年前,防衛研究所より突如飛び立ったゴウラムと呼ばれる飛行体の行方です.ゴウラムは,中東方面へ向かったとの報告もあります」
一条「海外での未確認生命体の出没状況等の報告はあるのでしょうか?」
南「あります.が…裏づけのとれている情報は皆無であります」
一同,沈黙する.
チベット高原・国境警備隊
拘置房に,雄介.食事をとっている.
兵士B「パスポートは無くした?」
兵士A「おまえ,日本人か?日本人はこんなに寒さに強いのか?」
雄介「いや,助かりました.さすがに死ぬかと思いました.これウマイっすね」
シリア砂漠(バグダッドの南・約200km) 現地時間 5:38pm
ゲリラ,国籍不詳の正規軍兵士の,累々たる屍.
それを高台から見下ろしているバルバ.
傍らに,初老の男.男は電動車イスに座り,サングラスをかけている.そのサングラスに映り込む紅い炎.
男「“この世は素晴らしい.生きる価値がある”」
バルバ「〔エドゥーマの力を試したのか?〕」
男「〔リントはすでに闇に包まれている.リントとリントが奪い合い,殺し合う.それも,己の欲望のために.だからこそ,ダグバすらリントに汚された〕」
バルバ「〔‘大いなる闇’は,まだだ〕」