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ジュラタロマロさん

ジュラタロマロによるクウガ映画化ストーリー予想第2弾!
(って、G3に続きこういうのもアリなんでしょうか?・汗)

「ココ・・・どこだろう?」
キューバの海でボートに乗せてもらい、居眠りしたらいつのまにかとんでもないところに流れ着いてしまったようだった。さっきとは全く景色が違ったから、キューバでないことだけは確かだった・・・。波打ち際で不安定に漂うボートを降りる。温いような冷たいような、海水がスニーカーの中に染みた。その感覚がリアルだったから、夢ではないんだなぁと雄介は漠然と感じた。
「まいったなぁ・・・ここ、天国?」
ぽりぽりと頭を掻く。本心から出たとは思えない呑気な口調だった。雄介はキョロキョロと辺りを見渡す。とりあえず、人を探してココが一体どこなのか聞き出そうと考えたのだ
果てしなく続く白く美しい砂浜。山の方を見つめれば豊かな自然。人の住んでいる気配がないので気に掛かったが、前向きな彼はとりあえず笑顔で歩き出した。



過ぎてみれば不思議なもので、あの嵐のような一年も幻であったかのように思えるようになっていた。もちろん、その月日のなかに数え切れない程の犠牲者がいたことは確かだったし、心に深すぎる傷を負うこととなる友人が出来たこともまた事実だったが。
過去に思いを巡らせるクセがついた。ここ、長野での任務は東京でのあの1年に比べて余裕があるから、その精神的格差を埋めているのかもしれない。そう一条は自己分析している。
「いっちじょ〜さ〜ん」
遠くから微かに自分を呼ぶ声が聞こえた。振り返らずとも誰が呼んでいるのか明らかだったから、後ろから追いつきやすいように一条は歩調だけを緩めた。遠くから自分の元に駆けつけてくる足音が近づく。

違和感を感じた。亀山だと思っていたその足音は明らかに別人のものだった。そして、声も。
「何してるんですか!?こんなところで!!」
振り返った一条の顔は説明しにくい。息を切らせながら声を掛け、肩を叩いた雄介のそれもまた奇妙なものだったが。
「・・・君こそいつ帰って来たんだ!!五代!!」
「?一条さん・・・ここ、日本なんですか?」
雄介の何時になく神妙な表情に一条は眉を寄せた。
「何を言っている・・・・ん?・・・!!」
この時点になって、一条は初めて自分の置かれている状況に気がつき言葉を失った。そこは既に先ほどまで一条がいた長野県警の廊下ではなくなっていた。見渡す限り大自然の荒涼とした砂浜だった。
「ここは・・・・どこなんだ??」
「・・・さぁ?」
「……」
「……」
お互い、言うことも見つからないまま辺りを見回した。のんびり再会を喜んでいる場合でもなさそうだった。どうにかして、お互いがいた所に帰らなければならないからだ。
「五代・・・そもそも君は何故ココに来ることになったんだ?」
ただ立ちすくんでいても仕方なかったから、二人は雄介が向かっていた方向に歩くことにした。職業柄、事情聴取がまず第一になってしまう一条だった。どこか責められているように感じられる口調でも、雄介にとっては何でもない。
「あ、俺ですか?俺は、寝てました。キューバで」
「寝ていた?・・・キューバ・・・」
もしかしたら、と一条は返答しながら考えていた。自分も、どこかで意識を無くして夢を見ているかもしれないのだ。もしそうなら、この不思議な事態の説明がつき易い。
「でも、これ夢じゃないです。絶対に」
まるで一条の心中を読んだかのような答えかたの雄介だった。先手を取られて一瞬言い澱んだ一条は気持ちを入れ替えるように咳払いをした。
「…夢でなければ説明がつかないだろう。俺は確かに長野にいた。君はキューバだ。日本とキューバが一体どれだけ離れていると思ってるんだ。それに、ここは日本でもなければキューバでもない第3の場所だ」
「俺も、普通の手段ではムリだと思います。・・・俺は寝てたから夢かもしれないけど、一条さんは夢なんか見てないだろうし、場所が変わってたことさえわからなかったほどの速さでココに来てたワケでしょう?きっと何か特別な方法を誰かが思いついたんですよ」
「誰かが・・・か」
さっきから夢だと主張している一条自身、今の状況は多分、現実の我が身に起こっている問題なのだろうと感じてはいた。いつも通りに自分の感覚は冴えていたし、砂浜には不釣合いな革靴で歩く足は地熱で暖められて少し熱い程だったからだ。もし雄介の言うとおり、この事態が誰かの仕業なのだとしたら・・・。自分に向けて謎の言葉を掛けながら海に消えた女の姿が一条の脳裏に甦った。
「それに……」
雄介の足が止まる。勢いで数歩先に行ってしまった一条は、どうかしたのかと振り返った。そこには、海を凝視する雄介と爆発したかのような勢いの水しぶきを上げる水面があった。
「なんだあれは!!」
何か途方も無く大きなモノが海面から飛び上がり着水したということだけ、理解できた。それしか、振り返るのが遅れた一条には見えなかったのだ。
「・・・。凄く、大きな恐竜・・・?」
二人が呆然としていられたのもつかの間だった。一定のリズムを打つ地響きが段々大きく感じられるようになっていた。それは明らかに何か大きなものがこちらに向かって近づいてきていることの証明なのだ。雄介は身構え、一条はホルダーの中のものに手を掛けた。
「何か・・・来る!!」
「うわぁぁぁっ」
山の方から2体の何かが叫びながら飛び出してきた。思わず一条は銃口をその方向に向けかけたが、その様子には二人を襲おうというような意思は全くないようで、何かに追われてここに転がり出た、という説明がピッタリきた。
いち早く相手の顔を確認した雄介が驚きの声を上げる。一条も、まさか、と空を仰いだ。
「す・・・杉田さんに桜井さんじゃないですかぁ〜!!」
砂浜に転がっているのは、東京にいるはずの杉田と桜井の二人だった。
どうなってるんだ!と息も絶え絶えに座り込んだままの杉田は、若い桜井に支えられながら何とか立ち上がる。雄介の姿を確認した桜井の目には涙すら浮かんでいる。その姿に一筋の光明を見出したのかもしれない。
「よかった!!五代さん!ここ!!一体ドコなんですか?!」
それを聞いた一条は苦笑する。雄介なら何でも答えてくれる、と信頼する気持ちが何となくわかってしまったからだった。
「お久しぶりです桜井さん。……一体ドコなんでしょうね?」
まぁまぁ、と桜井の肩をポンポン叩きながら困ったように雄介は答えた。自分も同じような状況なのだと。
「お二人も突然ココに来ることになったんですか?」
一条の問いに、まだ少し息の荒い杉田が答える。
「そう、全く突然だった!廊下で二人で話してたら次の瞬間には森の中だよ」
「挙句にものすっごく大きなゴリラみたいなのに追いかけられるし。どうやら逃げきれたみたいですけど」
桜井が後を付け加える。一条は彼方を睨みながら小さく唸った。
「……一体何の力が働いて……!あれは……」
すべてを言い終わる前に、一条が再び胸元から拳銃を引き抜いた。一条の物騒な行動に3人はぎょっとする。原因を知るために一条の視線の先を探った杉田と桜井も、ソレを見つけてそれぞれなりの戦闘態勢になった。
 遥か先にちらつくのは白い影。ほっそりとしたドレスをまとった女の姿。それが、暖められた空気で揺らめきながらこちらに向かってゆっくりと歩いてくるのだった。
しばらく自分の腹部を見つめていた雄介も、意を決したかのように両腕を動かした。その手が、杉田と桜井によって左右から押さえられる。拍子抜けした顔で二人をみた雄介に、前を見据えたままの一条が毅然とした声で言った。
「君はいい。今度は我々が君を守る」
「……一条さん……」
そうそう、と一条の言葉に頷きながら杉田は明るくいった。
「とはいえ、たいした役には立てそうもないがな。神経断裂弾も無いし」
雄介の間の抜けた顔が、急に満面の笑顔になった。
「……ありがとうございます。でも俺、変身します!」
「待ってください五代さん!」
「待つんだ五代!」
桜井と一条が同時に雄介を止めた。でも、と変身しようとする雄介に一条が変な声で言った。
「向こうで、激しく手を振っているんだが……別人か?」
皆で目を細くして、手のひらで日差しを遮って、伸びたり縮んだりして相手を確認した。
「白いドレスですけど……ほっそりしてますけど……別人ですかね……」
怪訝な様子で自分を伺う4人にじれたのか、白いドレスの女はなんと駆け寄ってきた。
「……違いますね。知らない人です」
慌てて拳銃をしまって、しかし警戒心は解かずに一同もゆっくりと近づいていった。女性をあまり走らせる訳には行かないと誰彼なく言い出したのだ。しばらく歩くと柔和な感じの色の白い女性が息を切らせながら、すぐ目の前までやってきて明るく言った。
「よかった〜。貴方たちが『あの子』に呼ばれた人たちなのね!」
ふんわかした女性の態度はとても友好的なものだった。それを肌で感じ取った雄介が、にこやかに返事をする。
「あ、あの、『あの子』って誰ですか?俺たちいきなりココに呼ばれちゃって何が何だかサッパリ……」
ああ!と叫ぶとその女性は両手をパンと鳴らした。
「ごめんなさい!突然で驚かれたでしょう!!私は……」
ふいに、辺りが影になった。変な予感がして皆、顔を空に向ける。
「な、な、何だぁ〜!!」
杉田の言うことはもっともだった。巨大な『何か』が上空に陣取っていたからだ。見上げた視界に空が見えないほどの大きさの金属のような生き物のような形状をしていた。その正体に真っ先に思い当たったのは雄介だった。
「ゴウラム・・・・。ゴウラムッ!?」
雄介の声に一条が大声で反論する。段階的に声は小さくなっていったが。
「まさか!!こんなに大きいなんて!……しかし、形はゴウラム……か?」
「まぁ!この子はゴウラムという名前だったのね。私はてっきり新しい『パワーアニマル』かと……」
テトム、と自分のことを名乗ったその女性はゴウラムとの出会いを雄介達に伝えた。
「偶然、しょげこんでいるところを私が見つけて声を掛けたんです。そうしたら、ご主人サマに置いてきぼりにされて寂しいと……」
「はぁ……。一緒に連れて行くべきだったのかな……」
変な気分で雄介は反省した。しかし、と既に頭が相当混乱している一条が疑問をテトムにぶつける。
「我々の知っているゴウラムはこんなに大きくなかったんですが……その辺りのことはご存知ですか?」
「それはこのガオズロックにいるからです。ここの環境がこのゴウラムによく合っていたのでしょう」
にっこり笑顔とゆっくりとした口調でテトムは答えた。
「で、なぜ我々4人がその『ガオズロック』に来ることになったんでしょうか?五代さんなら理由も判るんですが……」
最後に、桜井がテトムに聞く。テトムの目が驚いたように丸くなった。

「みなさんが新しい戦士になってくれるのではないのですか??」

一瞬、その場が止まった。
「私達と一緒に闘ってくれるとゴウラムが言ってくれて、そして、『ご主人とその仲間』を呼んでくれたんですけれども……」
「……」
「お願いします!新しいガオレンジャーになって下さい!!」
両手を胸の前で組んだその女性は、一生懸命に頭を下げた。あまりに現実離れした話に4人は言葉も出なかった。
「ガ、ガオレンジャー??ですか?」
確認する杉田の横で、おれ、掛け持ちしなきゃならないのかなぁと雄介は呟いた。
「言い忘れてましたけど、もうすでに皆さんのご友人が新しい戦士になってくださいました!」
元気よくテトムが指差した先には、全身を緑色のダイビングスーツのようなものに覆われた一人の人物がいた。
「よう!」
右手を挙げて親しそうに会釈したその声に、敏感に反応したのは一条だった。
「椿かッ!」
そして、その椿医師だと思われる人物のもとに走り寄る。残りの3人も慌てて後に続いた。
「何をやってるんだお前は!」
「美女の願いを叶えてるんだ」
速答されて、もう一条には何も言えなかった。かわって雄介が問う。
「うわぁ・・・椿さん思い切ったことしましたねぇ」
「いや、お前のと違ってコレは楽だ。携帯を持てればそれでいいからな」
じゃあ掛け持ち出来るなぁ、と一人呟いた雄介を一条は叱った。
「簡単に引き受けられるような仕事じゃないぞ!」
「平気です!皆さんに地球を愛する心があれば!いえ、皆さんにはきっとあります!!だから、これを持ってください!!」
テトムは半ば押し付けるようにして金色の携帯電話を全員に受け取らせる。
「さぁ!!これを持って『ガオアクセス』と叫ぶのです!!!」
さっきまでほんわかしていたテトムだったのに、急に迫力に満ちていた。
皆、ちょっと待ってくれ考えさせてくれと言おうとしたのに、なぜだか体は全く言うことを聞かない。勝手に携帯電話を持つ手が耳元まで挙がり、勝手に体が構えたような形になって・・・・。

『ガオアクセス!!』



「ガオ……」
自分の声が変に聞こえて、慌てて雄介は体を起こした。そこは、ごく当たり前にキューバの砂浜だった。ついさっきまで見ていた夢があまりにも可笑しかったから、雄介は一人で声を上げて笑った。久しぶりにみんなの顔が見られて・・・。

ピリピリピリピリピリ

でも、変にリアルな夢だったなぁ、と雄介は一人思う。

ピリピリピリピリ

「?」
さっきから鞄の中から変な音がするのだ。何気なく鞄に手を伸ばして、そして雄介は体を跳ね上げた。
「あれ!!携帯電話の形・・・・!!」
慌ててリュックを開けると、そこにはしっかりと電子音を出しつづける携帯と、すっかり小さくなったゴウラムが入っていたのだった。



『ていう、夢を見たんですよ〜。もう、ビックリしちゃって…』
「何なんだその夢は」
すっかり興奮した様子で国際電話をかけてきた雄介に、一条は苦笑しながら応対した。
「そっちでは……元気にやってるのか?」
『……ええ!元気ですよ。』
少し間が空いたから、一条の表情が薄く曇った。そうこうしているうちに、雄介の動きが慌しくなって、ほどなく電話は切れてしまった。費用がかさむからだ。切れてしまった携帯をぼんやり眺めて、一条は思いつめたように言った。
「やっぱり、俺にはムリだ」
「でも……いつかは彼にもわかってしまうだろうし……」
「彼が気がついたときに言いましょう!もしかしたら、それまでに終るかもしれないじゃないですか!!」
「全く、面倒なことになったなぁ・・・・」
実はこのとき、一条は東京で奇妙な事態に巻き込まれた残りの3人と共にこれからのことについて会議を開いていたのだった。
「夢だと思って引き受けたのに、まさか現実だったなんて・・・・」
椿が大きな溜息をついた。




おわり。

って、書き上げて気がついたんですけど変身してないし、これクウガじゃないッッ!!(汗)